パーキンソン病の口腔ケア|誤嚥性肺炎を防ぐ正しい歯磨き習慣
パーキンソン病では、飲み込みにくさや筋肉のこわばりにより、歯磨きがしづらく感じることがあります。正しい歯磨きを習慣化することは、口腔内の清潔を保つうえで欠かせません。今回は、パーキンソン病の方でも無理なく行える歯磨きの方法を学べる動画をご紹介します。動画を見ながら、今日から実践できる内容です。
目次
パーキンソン病で歯磨きが重要な3つの理由
1. 誤嚥性肺炎の予防
パーキンソン病では嚥下機能が低下し、唾液や食べ物が気管に入りやすくなります。口の中に細菌が多いと、誤嚥したときに肺炎を起こす危険が高まります。毎日の歯磨きで口腔内を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の予防につながります。
2. 口腔機能の維持と食事の安全性
筋肉のこわばりによって口が開きにくくなり、舌や顎の動きが制限されることがあります。そこに虫歯や歯周病が重なると、噛む・飲み込む動作がさらに難しくなり、食事そのものが負担になってしまいます。歯磨きは「食べる楽しみ」を守るためにも欠かせません。
3. ドライマウス対策
口が乾きやすくなると、唾液の自浄作用が弱まり、細菌や汚れがたまりやすくなります。歯磨きやこまめな口腔ケアは、乾燥による虫歯・口臭のリスクを和らげる効果があります。
歯磨きを始める前に知っておきたい準備と注意点

歯磨きは毎日の習慣ですが、体調や症状に合わせた工夫が必要です。
- ・姿勢を安定させてから始める(椅子に座って背筋を伸ばすなど)
- ・柔らかめの歯ブラシを使い、歯ぐきを傷つけないようにする
- ・手が震える場合は柄の太い歯ブラシや電動歯ブラシを利用する
- ・疲れやすい場合は一度に全部を磨こうとせず、分けて行う
無理のない方法で続けることが、長期的なケアにつながります。
正しい歯磨き習慣を身につける動画の紹介
この動画では、毎日の歯磨きと組み合わせて実践できる工夫が紹介されています。口を大きく動かす練習を取り入れることで、歯磨きを「単なる清掃」から「口腔機能のトレーニング」にもつなげられる内容です。無理のない短時間のプログラムで、継続しやすいのが特長です。
動画の内容:
- 歯ブラシの準備と持ち方
- 上の歯の表面と裏側を磨く
- 下の歯の表面と裏側、噛み合わせ部分を磨く
- 舌ブラシや仕上げの工夫
続けるための工夫とサポートの活用
歯磨きは毎日のことだからこそ、習慣化が大切です。
「朝食後」と「就寝前」の時間にセットで行うと忘れにくくなります。ご自身で磨きにくい場合は、ご家族や介護者にサポートをお願いすることも大切です。歯科医院での定期的なチェックやプロによるクリーニングもあわせて取り入れると、安心して続けられます。
実践によって期待できる効果と生活のメリット
歯磨きを習慣化することで、口の中がすっきり清潔に保たれるだけでなく、食事を安心して楽しめるようになります。誤嚥性肺炎のリスクを減らし、声や表情も自然と保ちやすくなる効果も期待できます。何より「自分の口で食べられる」ことが、生活の質を大きく支える要素となります。
まとめ|歯磨き習慣で誤嚥性肺炎を予防し安心の毎日へ
パーキンソン病の方にとって、歯磨きは口臭予防や虫歯対策に加え、誤嚥性肺炎という重大なリスクを防ぐ命を守るケアです。動画を参考に、毎日の歯磨きを「食べる力」「話す力」を支える習慣として取り入れましょう。必要に応じてご家族や歯科のサポートを受けながら、安心して続けることが大切です。
ご紹介Youtubeチャンネル
言語聴覚士による口腔体操とリハビリ体操のYoutubeチャンネル
専門職の視点で、無理なく、効果的に取り組める口腔・発声体操を多数公開しています。
ご本人だけでなく、ご家族や施設職員の方にも役立つ内容です。ぜひ一度ご覧ください。
口腔体操 言語聴覚士による口腔体操とリハ体操
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