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パーキンソン病の口腔体操|発声練習で楽しい会話と嚥下予防

パーキンソン病の口腔体操|発声練習で楽しい会話と嚥下予防

「声が小さくて相手に届かない」
「言葉がはっきり出ず会話が続けにくい」

パーキンソン病の方に多いこの悩みは、声を出す力が弱まることで起こります。発声の機能が低下すると、人と話すことが億劫になり、日常の楽しみやつながりを失いやすくなります。

だからこそ、声をしっかり出す練習を続けることが大切です。発声練習を行うことで、相手に思いを伝えやすくなり、会話の楽しさを取り戻せます。また、食事中のむせを減らし、安全に食べる力を支えることにもつながります。この記事では、言語聴覚士が紹介する4つの動画をもとに、自宅で安心して取り組める発声練習をまとめました。

なぜパーキンソン病に発声練習が大切なのか

パーキンソン病に発声練習が大切な理由

パーキンソン病では、声が小さくなったり、かすれたりすることがよくあります。これは声を出す筋肉が働きづらくなるためで、会話がしづらくなる大きな原因です。声が届きにくいと、周囲に聞き返されることが増え、人と話すこと自体が負担に感じてしまう方もいます。さらに、声を出す力は飲み込む力とも関わりが深いため、発声が弱まると誤嚥のリスクも高まります。

発声練習は、声を大きく、はっきり出せるように筋肉を鍛えるリハビリです。続けることで話す楽しさを取り戻し、安全に食事を楽しむことにもつながります。

発声練習を始める前の準備と注意点

発声練習を効果的に行うには、まず正しい姿勢を整えることが大切です。椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばすと声が出しやすくなります。喉や口に無理な力を入れる必要はなく、疲れたら休みながら進めましょう。もし痛みや強い違和感を感じた場合は、その場で中止してください。

自宅でできる発声練習【難易度別4つの動画紹介】

ここからは、言語聴覚士による4つの発声練習動画を紹介します。いずれも自宅で椅子に座ったまま行える内容で、初心者でも安心して始められます。体調や声の出しやすさに合わせて、難易度を低いパターンと高いパターンに分けて取り組むと効果的です。

難易度低いパターン(初心者・体調が優れないときにおすすめ)

動画① 食事前におすすめの発声練習

食事前に声を出すことで、飲み込みやすくなり、誤嚥を予防しやすくなる練習です。呼吸から発声、挨拶の言葉まで、日常生活に取り入れやすい構成になっています。

動画の内容:

  • 深呼吸で息を整える
  • 「あー」と声を5秒間出す(高い声・低い声も練習)
  • 「こんにちは」「さようなら」などの挨拶を声に出す

動画② はっきり話すための発声トレーニング

はっきりと大きな声で話すための発声練習です。「あ行」から「わ行」まで、一音ずつ声を出しながら口全体を大きく動かすことで、滑舌がなめらかになり、声が通りやすくなる効果が期待できます。

動画の内容:

  • 口を大きく開けて、はっきりと発音することを意識します。
  • 「あ行」から「わ行」まで、一音ずつ声に出していきます。

難易度高いパターン(慣れてきた方・体調の良いときにおすすめ)

動画③ 声の出し方と早口言葉で滑舌アップ

声を長く安定して出す練習に加え、早口言葉で楽しみながら口を動かす内容です。声を出すことを遊び感覚で続けられます。

動画の内容:

  • 腹式呼吸で息を整える
  • 「あー」と10秒間声を出す
  • 「あいうえお」をはっきり発音
  • 「生麦生米生卵」などの早口言葉に挑戦

動画④ 声をはっきりさせるための発声練習

はっきりと明瞭な声で話すことを目指した発声練習です。深呼吸から始め、段階的に息の使い方を整えながら、早口言葉の練習にも取り組みます。滑舌を良くしたい方や、会話をよりスムーズにしたい方におすすめです。

動画の内容:

  • 深呼吸: 息を吸い、声を出しながら吐き出す練習。
  • 「あいうえお」の発声練習: 力強く、勢いよく発声する練習。
  • 早口言葉の練習: 言葉をはっきりと速く話す練習。

続けるためのコツと習慣化の工夫

発声練習は、短時間でも毎日続けることが大切です。朝の挨拶をするときや食事の前など、日常生活の一場面と組み合わせると無理なく習慣になります。長時間でなくても毎日の数分を積み重ねることが効果につながります。

実践後に期待できる変化と生活へのメリット

発声練習を続けると、声が大きく出るようになり、会話がしやすくなります。言葉がはっきりすることで聞き返されることも減り、人と話す自信が戻ってきます。また、声を出す力が強まると飲み込む力も安定し、誤嚥を防ぎやすくなります。発声は人とつながる力でもあり、生活の楽しさを取り戻すきっかけになります。

まとめ|発声練習で会話を楽しみ誤嚥を防ぐ

パーキンソン病では声の小ささや滑舌の悪さが目立ちやすくなりますが、発声練習を取り入れることでより良いコミュニケーションが見込めます。今回紹介した4つの動画は、自宅で無理なく続けられる内容です。毎日の生活に声を出す練習を取り入れ、会話を楽しみながら誤嚥を防ぎ、安心して暮らせる時間を増やしていきましょう。

ご紹介Youtubeチャンネル

言語聴覚士による口腔体操とリハビリ体操のYoutubeチャンネル
専門職の視点で、無理なく、効果的に取り組める口腔・発声体操を多数公開しています。
ご本人だけでなく、ご家族や施設職員の方にも役立つ内容です。ぜひ一度ご覧ください。

口腔体操 言語聴覚士による口腔体操とリハ体操

https://www.youtube.com/channel/UCf1T7nad4qYflsiMJxtSZFg

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