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パーキンソン病の知識

公的支援と制度活用

パーキンソン病患者がもらえるお金は?助成や年金など支援制度を解説

パーキンソン病患者がもらえるお金は?助成や年金など支援制度を解説

パーキンソン病と診断されると、これからの治療費や生活費に不安を感じる方も少なくありません。しかし、日本には指定難病の医療費助成や障害年金など、疾患による経済的負担を軽減するための公的支援制度が数多く用意されています。これらの制度を正しく理解し活用することが、自分らしく前向きに療養生活を送るために大切です。

この記事では、パーキンソン病と診断された患者さまが利用できる助成や年金などの支援制度について、全体像をわかりやすく解説します。

パーキンソン病患者にとって負担になるのは医療費と生活費

パーキンソン病は進行性の疾患ですが、薬物療法やリハビリによるコントロールが可能です。一方で、治療が長期にわたる場合もあり、患者さまやご家族にとって医療費・生活費の負担は気になるところでしょう。

日本の医療保険制度には、医療費の自己負担額を軽減できる制度が存在します。さらに、パーキンソン病が指定難病のひとつであることで利用できる制度もあります。

また、症状が進行すると以前のように働けず、収入が不安になる場合もありますが、障害年金などの公的支援によって生活を支えることも可能です。直接的な現金給付以外にも、介護サービスや公共交通機関の割引といった、生活の質(QOL)を維持・向上させるための多角的なサポートが整っています。

パーキンソン病の医療費に関連してもらえるお金

パーキンソン病にかかる医療費について、利用できる助成や控除の制度があります。
助成とは、いったん支払った医療費が後日支給という形でもらえたり、窓口での自己負担が最初から軽減されたりする制度です。控除とは、正確には「もらえる」お金ではありませんが、税金の負担軽減につながります。

医療費に関連する制度は主に「難病医療費助成制度」「高額療養費制度」「医療費控除」の3つがあり、これらは併用が可能です。ただし、医療費控除の計算時には助成金などで補填された分を差し引く必要があるなど、ひとつの医療費に対して重複して申請することはできない仕組みになっています。

パーキンソン病の医療費に関連する主な制度

制度名申請先主な必要書類ポイント
難病医療費助成制度(指定難病)お住まいの都道府県・指定都市の窓口・支給認定申請書
・指定難病に関する臨床調査個人票(診断書)
・医療保険の加入状況が確認できる書類(健康保険証、資格確認書、マイナ保険証など)
・世帯の所得状況がわかる書類(課税証明書など)
・事前申請が原則(認定前の医療費は対象外になることが多い)
・更新が必要(原則年1回)
・対象となるのは指定難病に関する医療費のみ
・入院時の食費は対象にならない
高額療養費制度加入している医療保険の保険者・高額療養費支給申請書
・医療費の領収書
・本人確認書類
・振込先口座情報
・原則は月単位で計算される
・事前に「限度額適用認定証」を取得すると窓口負担を抑えられる
・申請期限がある(通常は診療月の翌月から2年以内)
医療費控除税務署(確定申告)・確定申告書
・医療費控除の明細書
・医療費の領収書(※提出不要だが5年間保管)
・源泉徴収票(給与所得者)
・対象は実際に自己負担した医療費のみ
・助成金・高額療養費で補填された分は除外する
・生計を一にする家族分を合算できる

難病医療費助成制度(指定難病)

難病医療費助成制度は、指定難病の医療費について、月々の自己負担上限額を超えた場合にその分を公費で負担する制度です。指定難病とは、原因が明らかでない、または治療法が確立しておらず、長期にわたる療養が必要な難病のうち、患者数が一定数以下などの要件を満たす疾患を国が定めたものです。

パーキンソン病は指定難病のひとつであり、パーキンソン病と診断された患者さまが一定の条件を満たせば、この制度の対象となります。
なお、パーキンソン病と同じ神経難病である進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症も対象です。

<パーキンソン病などの神経難病で難病医療費助成制度を利用する際の条件>
・指定難病の対象疾患と診断されていること
・「ホーン・ヤールの重症度分類などにおいて、病状の段階が一定以上」、あるいは「軽症高額該当(高額な医療費が継続している)」であること

申請には難病指定医による診断書が必要で、保健所に申請後、認定されると「医療受給者証」が交付されます。この医療受給者証を難病指定医療機関で提示することで、医療費の助成が受けられる仕組みです。

ホーン・ヤールの重症度分類については、こちらの記事をご覧ください。

高額療養費制度

高額療養費制度は、医療機関や薬局での窓口支払額がひと月の上限を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。難病以外の治療費や指定外医療機関での治療費といった、難病医療費助成制度が適用されない医療費に対しては、高額療養費制度が適用されます。

なお、窓口支払額の上限は年齢(70歳以上/69歳以下)や所得水準によって異なります。
難病医療費助成との併用も可能ですが、計算方法が複雑なため、医療機関の窓口で確認することが大切です。

医療費控除

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超える場合に、確定申告で申請することで税金が還付される制度です。医療費控除を申請すれば、所得税や住民税の計算の基となる所得から医療費分が控除されるため、結果として税金の負担軽減につながります。

<控除の対象範囲>
・本人だけでなく、生計を一にする家族全員分の医療費を合算できる
・病院への通院にかかった公共交通機関の交通費も対象に含まれる
・難病医療費助成や高額療養費で補填された金額は対象に含まれない

パーキンソン病の生活費に関連してもらえるお金

パーキンソン病の生活費に関連してもらえるお金としては、障害年金があります。また、費用負担を軽減できる制度として、介護保険、障害者総合支援法も活用可能です。

なお、これらの制度はすべて併用できますが、申請先や申請方法が異なるため市区町村の福祉窓口や年金事務所、地域包括支援センターなどに相談することが大切です。

パーキンソン病の生活費に関連する主な制度

制度名申請先主な必要書類ポイント
障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)年金事務所 または市区町村の年金窓口・年金請求書
・診断書(障害年金用様式)
・病歴・就労状況等申立書
・本人確認書類
・振込先口座情報
・障害者手帳の有無は原則不問
・審査に時間がかかる(数ヵ月)
介護保険制度(特定疾病)お住まいの市区町村(介護保険担当窓口)・要介護認定申請書
・主治医診断書・意見書(市区町村が医師へ依頼)
・本人確認書類
・40~64歳は特定疾病が対象
・認定結果が出るまで1~2ヵ月程度
・認定後はケアマネジャー選定が必要
障害者総合支援法に基づく自立支援給付・地域生活支援事業お住まいの市区町村(障害福祉担当窓口)・支給申請書
・医師の診断書・意見書(必要に応じて)
・障害者手帳(ある場合)
・所得状況がわかる書類
・障害者手帳がなくても利用できる場合がある
・介護保険が優先されるサービスがある
・利用内容・負担上限は市区町村ごとに異なる

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、いずれも病気やケガによって日常生活や仕事に支障が出た際に受給できる公的年金です。障害の原因となった病気やけがで初めて病院を受診した日(初診日)に、国民年金の被保険者であれば障害基礎年金、厚生年金の被保険者であれば障害厚生年金が支給されます。

<障害年金受給のための3つの要件>
・初診日要件:障害の原因となった症状で初めて医師の診察を受けた日に、年金制度に加入していること
・保険料納付要件:初診日の前日までに、一定期間以上の保険料を納めていること
・障害認定日要件:初診日から1年6ヵ月経過した日、または症状が固定した日に一定の障害状態にあること

支給額は、加入していた年金や障害の等級、配偶者の有無や子供の数などによって異なります。この制度における障害等級は、身体障害者手帳の等級とは別であることに注意が必要です。身体障害者手帳の等級認定では身体の機能が重視されますが、障害年金の等級認定では具体的な症状や重症度に加えて食事や着替えといった日常生活の動作能力も重視されます。

介護保険制度(特定疾病)

介護保険制度の対象となるのは、65歳以上の加入者、すなわち第1号被保険者と、40~64歳で特定疾病に該当する加入者、すなわち第2号被保険者です。パーキンソン病は特定疾病に該当するため、40~64歳の患者さまでも、パーキンソン病が原因で介護が必要と認定された場合には介護保険制度の対象となります。

介護保険制度の対象である方が要介護認定を受けると、訪問介護、通所リハビリ、福祉用具のレンタルといった介護サービスを利用できます。
なお、介護保険サービスと障害福祉サービスは併用が可能な場合がありますが、原則として介護保険サービスを優先するというルールがあるため、事前に相談窓口で確認することが必要です。

障害者総合支援法に基づく自立支援給付・地域生活支援事業

障害者総合支援法に基づき、障害者の自立を支援する制度として自立支援給付・地域生活支援事業があり、パーキンソン病患者も対象になる可能性があります。

・自立支援給付
自立支援給付とは、介護給付、訓練等給付、計画相談支援給付、地域相談支援給付、自立支援医療、補装具にかかる費用につき、利用者の負担を1割とするものです。具体例としては、リハビリテーションや補装具(歩行器など)にかかる費用が挙げられます。
なお、負担上限額は世帯収入によって決められています。

・地域生活支援事業
地域生活支援事業とは、市区町村および都道府県が行うものです。コミュニケーション支援や移動支援、日常生活用具の給付など、地域独自の細やかなサービスが受けられる可能性があります。
内容は地域によって異なるため、市区町村の福祉窓口(障害福祉担当)で詳細を確認することが大切です。

パーキンソン病に向き合うために医療費と生活費の不安をなくそう

パーキンソン病とともに生きていくうえで、医療費や生活費といった経済的な問題は避けて通れません。しかし、公的支援の全体像を知り、適切に活用することで、将来への不安を大きく軽減できます。

受給要件や申請手続きが複雑なものも多いため、まずはお住まいの自治体の窓口や年金事務所へ早めに相談することをおすすめします。一人で悩まずに、専門家の助けを借りながら一歩ずつ準備を進めていきましょう。

なお、PDハウスにはパーキンソン病専門スタッフが在籍しており、給付などの申請についてアドバイスいたします。実際に、PDハウスの入居者さまの多くが、難病医療費助成制度や障害年金を活用しながら治療に向き合っていらっしゃいます。

PDハウスの資料請求やご見学は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

参考:
指定難病患者への医療費助成制度のご案内(難病情報センター)
No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(国税庁)
障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です(政府広報オンライン)
障害等級表(日本年金機構)
障害者自立支援法(内閣府)

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