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「パーキンソン病を隠さない」開き直りという前向きな選択

「パーキンソン病を隠さない」開き直りという前向きな選択

今回ご紹介するエツコさんのインタビューは、大阪府八尾市にある「PDハウス八尾」で実施された「パーキンソン病100人インタビュー」の紹介記事です。

本記事では、施設に入居されているエツコさんが、診断を受けてからの心の変化、周囲への告白、そして現在の充実した日常に至るまでのストーリーを詳しくお届けします。
なお、インタビュー動画はYouTubeからご視聴いただけます。

コントロールPDについてのご紹介

本記事でご紹介するエツコさんのインタビュー動画は、NPO法人『コントロールPD』が配信しているYouTubeシリーズの一部です。

『コントロールPD』は、パーキンソン病の当事者や家族、ケアサポーターを支援するNPO団体で、「病気に支配されるのではなく、自分で病気をコントロールして上手に付き合っていく」というコンセプトを掲げて活動されています。
代表理事のあみちゃん(公認心理師・介護福祉士)と、共同創設者のノタックさん(米国理学療法士DPT【博士号取得】・日本理学療法士)が中心となり、公式YouTubeチャンネルや各種イベント、啓発活動を通じて、パーキンソン病に関する実践的で実用的な情報を幅広く発信しています。

エツコさんのストーリー:診断から8年、開き直りの力

PD100ハウス八尾でのリハビリ風景

診断のきっかけ:家族の気づき

エツコさんがパーキンソン病と診断されたのは8年前のこと。診断のきっかけは、同居するお嫁さんが気づいた「手の震え」でした。

パーキンソン病と診断される前に、脳腫瘍の開頭手術を経験していたエツコさん。
手術後に手が震えるという症状が出たことから、別の病気の可能性を疑い、改めて専門の診察を受けることになりました。
エツコさんは当時を振り返り、病気の早期発見に家族が深く関わり、受診を勧めてくれたからこそ、医療機関へ前向きに足を運ぶことができたと語っています。

診断直後から現在:「開き直り」という前向きな選択

診断を受けた直後、エツコさんは病気について本などを使って積極的に情報を探すことはしませんでした。その代わりに選んだのが、「開き直る」という決断です。

「どうせ一生治らないなら上手に付き合っていった方がいい」

パーキンソン病は治らない病気であるという現実をしっかりと受け入れた上で、これからは上手に付き合っていこうと、前を向く姿勢であったことがわかります。

その決意に伴い、エツコさんは「病気を隠さない」という選択をします。
当初、病気をして隠そうとしていたことが自分自身に大きなストレスを与えていることに気づき、周囲に堂々と伝える道を選んだのです。

「病気で変な目で見られるのが嫌で、自分のストレスになるから自分から言いました」

実際、パーキンソン病という病名自体が周囲には具体的なイメージが湧きにくかったこともあり、告白しても特に大きなマイナスの反応はありませんでした。

隠すストレスから解放されたことで、エツコさんの気持ちは楽になったようです。

現在の生活:現状維持のための運動習慣

治らない病気だからこそ、エツコさんが日々の生活で何よりも大切にしていることは「現状維持」と「前向きな運動」です。

「楽な方に逃げたらそれまで。楽な方ばっかり選んでしまうから、リハビリでも自分なりにしんどいものからやっているつもり」

進行を遅らせ、今の身体の状態を保つことがいかに重要か。病気の本質を理解しているからこそ、その危機感が毎日の前向きなリハビリへの姿勢となり、現在ではリハビリ室の機械を一巡するなど、日々の実際の行動へと結びついています。

「もう仕方ないと思って自分で自分自身を鍛えなきゃいけない気持ちで、現状を維持して自分で動くしかない」

もちろん、エツコさんも症状進行への不安を全く抱いていないわけではありません。

「今は歩行器で歩けるけれど、だんだん車椅子になって、最後は寝たきりになるでしょう」

という言葉の通り、病気の未来に対する現実的な認識は常に持っています。
しかし、その根底にある不安こそが、ただ立ち止まるのではなく、現在の行動を支え、自らを動かすモチベーションになっています。

PDハウス八尾での充実した日常

みんなが同じパーキンソン病だから周囲を気しなくていい

エツコさんは3年前に、パーキンソン病の専門施設である「PDハウス八尾」に入居しました。周囲の入居者様がみんな同じ病気と闘っているため、病気自体を周囲に対して隠す必要が一切なく、精神的にとても気が楽であるという専門施設ならではの魅力を実感しています。

「朝食を完食できる」職員の温かいサポート

毎日の楽しみである朝食を欠かさず完食できる背景には、心のこもったあたたかい環境があります。
息子さんからプレゼントされた、おしゃべりができるトイプードル型のAIロボット「くうちゃん」の愛らしい励ましに加え、施設の職員による温かい声かけが大きな支えとなっています。

「職員の方々の言葉遣いが柔らかく、朝から元気な声で声をかけてもらうたびに、もっと頑張らないと」

と活力が湧いてくるそうです。

こうした職員との密なコミュニケーションが、毎日のモチベーションを高める原動力になっています。

リハビリにも繋がる2つの活動

さらに、施設内のクラブ活動(サークル活動)では「手芸」と「園芸」の2つに参加。
手芸では指編みなど様々な作品づくりに取り組んでおり、その制作の過程で指先を細かく動かす活動が症状の緩和にとても効果的であるという手応えを肌で感じています。

同じ病気を持つ仲間たちとの温かい交流、専門スタッフによる細やかなサポート、そして日々の生きがいとなる趣味活動など、これらすべてが相まって、活気と充実に満ちた毎日をPDハウスで過ごされています。

最後に:あなたも今日から実践できる、3つのこと

「治らない病気だから上手に付き合う」

エツコさんの言葉には、誰もが日常に取り入れることができる3つの具体的な工夫が込められています

  • 1. 現実を受け入れ、病気を治そうとするのではなく「上手に付き合っていく」という向き合い方に心を切り替えること。
  • 2. 病気を過度に隠そうとせず、堂々と周囲に伝えることで、結果的に自分自身の気持ちを楽にすること。
  • 3. 治らない病気だからこそ、現在の状態を維持するために日々の積極的な運動は不可欠であると知ること。

エツコさんが日々ここまで前向きに頑張れるのは、自身の「隠さず開き直る」という強い精神力によるものが大きいことは間違いありません。
しかし、その前向きな気持ちを支えている背景には、パーキンソン病専門施設という「そもそも病気を隠す必要のない安心感」や、職員の温かい励ましといった「周囲の環境・サポート」が存在しています。

本人と、それを受け止める最適な環境がうまく噛み合うことで、素晴らしい相乗効果が生み出されていると言えます。

パーキンソン病と向き合う皆さんも、エツコさんの歩みを手本に、できることから日々の生活に工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。

※本記事は、NPO法人「コントロールPD」が配信するYouTube動画「パーキンソン病100人インタビュー(PDハウス八尾)」の内容を基に構成しています。

動画紹介:受け入れて前に進む【パーキンソン病100人インタビュー】

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