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パーキンソン病の知識

パーキンソン病の基礎

症状別ケアと対策

監修者:坪井 義夫 先生

運営顧問・共同研究

パーキンソン病の筋強剛・姿勢異常とは?症状・原因と対策を解説|坪井義夫医師の「パーキンソン病ノート」

パーキンソン病の筋強剛・姿勢異常とは?症状・原因と対策を解説|坪井義夫医師の「パーキンソン病ノート」

パーキンソン病の筋強剛(筋固縮)は、筋肉が硬くなり、こわばりや痛みとして感じられる症状です。進行すると、前かがみや体の傾き、首下がりといった姿勢の異常につながることもあります。

本記事では、坪井義夫先生のYouTube「パーキンソン病ノート」の内容をもとに、筋強剛と姿勢異常の症状・原因と、リハビリや姿勢ケアによる対策を解説します。なお、歩行やバランスの障害(姿勢保持障害)、転倒については、パーキンソン病で歩行の際に出る症状の記事で解説しています。

※本記事で紹介する動画は以下からご覧いただけます。

【動画】「パーキンソン病の筋強剛・姿勢異常」

パーキンソン病の筋強剛(筋固縮)とは

筋強剛は医学用語で、筋肉が硬くなること(筋のこわばり)です。パーキンソン病の運動症状のひとつで、ご本人は硬さそのものを自覚しにくいことがありますが、筋肉がこわばる感じや、こわばりによる痛みとして気づくことがあります。

診察では、肘や手首の関節を曲げ伸ばしし、抵抗の強さで硬さを確認します。パーキンソン病では左右差があるため、必ず左右を比較します。また、硬さを診るときに、反対側の手でグー・パーを繰り返してもらうと、診ている側の筋肉の硬さがより強まることがあり、こうした観察も加えて評価します。硬さには、次の2種類があります。

  • 鉛管様筋強剛:鉛の管を曲げるように、常に一定の硬さで抵抗を感じる
  • 歯車様筋強剛:歯車のように、カクカクとした抵抗を感じる

姿勢異常(前傾姿勢など)の特徴

筋強剛が進むと、姿勢の異常が現れることがあります。立ったり座ったりしているときに出やすく、体幹と手足に分けられます。

体幹の姿勢異常

  • 前屈位:腰や体幹が前に曲がる姿勢(非常に強い場合はカンプトコルミアと呼ばれますが、名称は覚える必要はありません)
  • 側屈位:体が左右どちらかに傾く状態(ピサ症候群)
  • 首下がり:前かがみとともに首に負担がかかり、首が下がってくる

これらは、横になると改善することが多く、骨格そのものの変形は伴いません。この「横になるとまっすぐになれる」性質は、リハビリに応用できます。

手足の変形

  • 手指の変形:関節が曲がったまま固まってしまうことがある
  • 足趾の変形:槌趾(つち趾)や外反母趾など。足先がつくため、タコができたり痛みを感じたりすることがあります。

前屈位・側屈位・首下がりや手足の変形は、進行した患者さんで起こりやすい症状です。そうなる前から対策を立てること、なってからもリハビリを続けることが大切です。

筋強剛・姿勢異常が起こる背景

筋強剛の背景には、脳内のドパミンの不足が影響しています。筋強剛はパーキンソン病でほぼ必ず伴う症状ですが、ドパミンの補充と運動療法をしっかり行うことで、最も改善が期待できる症状のひとつです。

なお、姿勢異常については、特殊な場合として、抗パーキンソン病薬を変えたり調整したりしたときに、急に姿勢異常が現れることが知られています。特にドパミンアゴニストが直前に新しく処方されて、急に前かがみになった例があります。この場合は、追加した薬を減量・中止することで改善する場合があるため、主治医とよく相談することが大切です。

筋強剛・姿勢異常への対策(リハビリ・姿勢ケア)

薬による対応

薬物療法は、他の運動症状と共通です。レボドパ、MAO-B阻害薬、ドパミンアゴニストによるドパミンの補充が中心で、過剰にも不足にもならないよう調整します。薬の種類や服用の注意については、パーキンソン病の薬の記事もご覧ください。

前述のとおり、姿勢異常が薬剤の調整後に現れた場合は、追加した薬の減量・中止で改善することもあります。

運動療法・リハビリ

筋強剛・姿勢異常の対策では、運動療法が最も大切です。

  • 歩行:歩くと筋肉がほぐれます。30分ほど続けると、体の筋肉の緊張がとれるといわれています
  • ストレッチ:各関節をゆっくり伸ばします。体幹・手指・足趾の柔軟性を高めるストレッチを、1日に何回も行います
  • 背筋の強化:前屈位になると良い姿勢を作りにくくなるため、背筋を鍛えることが姿勢異常の改善に役立ちます
  • 姿勢のリラックス:体幹の姿勢異常には、あえて横になって体をリラックスさせる時間を作ることも一つの方法です

具体的なリハビリの種類や方法は、リハビリの記事もあわせてご覧ください。

日常生活での姿勢ケア

  • 同じ姿勢でいる時間を長くしない(座りっぱなしを減らす)
  • 長く座ったと思ったら、立ち上がってストレッチや運動をする
  • 良い姿勢を常に意識する(座っているときも腰を伸ばす、傾く場合はクッションで調整する)

悪い姿勢のまま長く過ごすと、その姿勢で筋肉が固まってしまいます。こまめに動く習慣をつけることが大切です。

パーキンソン病の筋強剛・姿勢異常はリハビリと姿勢ケアで和らげる

筋強剛は、筋肉が硬くなり、こわばりや痛みとして感じられる症状です。進行すると、前屈位・側屈位(ピサ症候群)・首下がりや、手足の変形といった姿勢異常につながることがあります。これらは横になると改善することが多く、骨格の変形は伴いません。

対策の中心は、ドパミンの補充と運動療法です。歩行やストレッチ、背筋の強化、そして日常での姿勢ケア(座りっぱなしを避け、良い姿勢を意識する)を続けることで、筋強剛・姿勢異常を和らげていくことが期待できます。困ったときは主治医に相談しながら取り組むことが大切です。

Youtube|坪井義夫の「パーキンソン病ノート」の紹介

医師紹介

坪井 義夫 先生

医療法人徳隣会・つつみクリニック福岡 パーキンソン病専門外来センター センター長
順天堂大学大学院医学研究科 PD長期観察共同研究講座 特任教授

2024年3月まで坪井先生が勤務されていた福岡大学で運営されていたWEB動画メディア「web park ひろば」は、同年4月に「パーキンソン病ノート」として株式会社サンウェルズへ引き継がれました。

パーキンソン病で悩む多くの方の支えになりたいという坪井先生の思いとともに、現在も継続して配信が行われています。

つつみクリニック パーキンソン病専門外来センター
https://tsutsumiclinic.net/parkinson/

坪井義夫の「パーキンソン病ノート」Youtube再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PLiYcrCA0RHCTWgIITjvPjWv9vFCXFds61

本日ご紹介した動画

パーキンソン病の筋強剛・姿勢異常|坪井義夫のパーキンソン病ノート

「筋強剛・姿勢異常について」の動画をYoutubeで見る

  • この記事を監修した人

    坪井 義夫 先生

    医療法人徳隣会 つつみクリニック福岡 パーキンソン病専門外来センター センター長
    順天堂大学大学院医学研究科 特任教授

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