PDハウスオンライン PDハウスオンライン

パーキンソン病の知識

パーキンソン病の基礎

症状別ケアと対策

監修者:坪井 義夫 先生

運営顧問・共同研究

パーキンソン病の流涎(よだれ)とは?原因と対策を解説|坪井義夫医師の「パーキンソン病ノート」

パーキンソン病の流涎(よだれ)とは?原因と対策を解説|坪井義夫医師の「パーキンソン病ノート」

パーキンソン病の流涎(よだれ)は、多くの方が困っている症状のひとつです。よだれが増えるのは、唾液が増えているからではなく、飲み込みの回数が減ることなどが関わって起こります。

本記事では、坪井義夫先生のYouTube「パーキンソン病ノート」の内容をもとに、流涎(よだれ)が起こる原因と、姿勢や生活の工夫、リハビリ、薬、ボツリヌス療法による対策を解説します。

※本記事で紹介する動画は以下からご覧いただけます。

【動画】「パーキンソン病の流涎と対策について」

パーキンソン病の流涎(よだれ)とは

流涎とは、よだれのことです。パーキンソン病では、非運動症状のひとつとして多くの方が困っている症状で、進行期の調査でも、最も困る症状の上位に挙げられています。

はじめに、唾液の働きを確認します。唾液は1日およそ500〜1000mlつくられ、睡眠中は少なく、飲食の刺激で多くなります。1日のなかでは、午前6時ごろに最も少なく、午後6時ごろに最も多くなります。

唾液には、次のような大切な役割があります。

  • ・口の中を潤し、話す・噛む・飲み込む動作を円滑にする
  • ・抗菌作用があり、口の中の感染を防ぐ
  • ・酸を中和し、歯を虫歯や歯周病から守る
  • ・消化酵素により消化を助ける

流涎(よだれ)が起こる原因

パーキンソン病では、唾液が増えているわけではありません。むしろ減っているというデータもあります。それでもよだれが垂れてしまうのは、次のような理由からです。

  • ・飲み込みの回数が減り、唾液が口にたまる
  • ・口の動きがゆっくりで、口を閉じる力が不十分
  • ・前かがみ(前屈位)の姿勢や、口が開いた状態

まっすぐな姿勢で口を閉じていると、唾液は自然に喉の方へ流れて飲み込まれます。しかし、前かがみで口を開けていると、重力で唾液が口の前方にたまり、口から垂れてしまいます。つまり、流涎は飲み込み(嚥下)の不全と、姿勢の異常(前屈位・開口位)の結果として起こります。

流涎(よだれ)による困りごと

流涎があると、生活のさまざまな場面で困りごとが生じます。

  • ・服やマスク、枕が濡れる
  • ・におい・衛生の問題
  • ・話しにくい
  • ・外出や人前が不安になり、閉じこもりがちになる
  • ・家族に指摘される

「年のせいだから仕方ない」「恥ずかしいけれど我慢しよう」「治らない」と思ってしまう方もいます。しかし、流涎は対応できる症状です。「よだれくらいで」と思わず、困っているときはあきらめずに主治医へ相談してみてください。

流涎(よだれ)への対応:生活の工夫とリハビリ

流涎(よだれ)への対応:生活の工夫とリハビリ

まずは、薬に頼るだけでなく「動かす」ことが大切です。生活の中では、次のような工夫があります。

  • ・姿勢を正す(前かがみを避ける)
  • ・こまめに水分をとる
  • ・ガムや飴で飲み込みを促す
  • ・口の体操や発声練習をする
  • ・口の周りの筋肉をトレーニングする

積極的に飲み込みを促すことで、軽い流涎であればこれだけで改善する方も多くいます。

より専門的には、言語聴覚士による嚥下・口腔リハビリもあります。飲み込みの練習、口唇・舌の運動、発声・呼吸の訓練などです。口の体操の具体的なやり方は、口腔体操の記事もご覧ください。

薬・ボツリヌス療法による治療

生活の工夫やリハビリで十分でない場合は、薬やボツリヌス療法も選択肢になります。

レボドパの内服調整

オフのときに流涎が強くなる方には、レボドパの内服を調整してオフの時間を短くすることで、流涎が少なくなる場合があります。

抗コリン薬

トリヘキシフェニジルなどの抗コリン薬には、唾液の分泌を抑える働きがあります。ただし、口の渇き、便秘、せん妄などの副作用があり、特に高齢の方は注意が必要です。

ボツリヌス療法

流涎が強い場合には、ボツリヌス療法があります。唾液腺(耳下腺・顎下腺など)にボツリヌスを少量注射し、唾液の出すぎを抑えます。効果は3〜4か月続き、また唾液が多くなってきたら繰り返し行えます。保険も適用されます。

治療後の口腔ケア

ボツリヌス療法のあとは唾液が少し減るため、口腔ケアが大切です。口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の予防にもなります。

  • ・毎食後と就寝前に歯を磨く
  • ・舌や頬の内側も清掃する
  • ・口のリハビリ(口唇・舌の運動、発声・呼吸の訓練)を続ける

パーキンソン病の流涎(よだれ)はあきらめず相談することが大切

流涎は、唾液を口の中で保持できない結果として起こります。唾液の量が多いわけではなく、飲み込みの回数が少ないことや、オフの時間に出やすいことが背景にあります。前かがみの姿勢や、口を開けたままの状態も原因のひとつです。

対応には、リハビリ、薬、ボツリヌス療法があります。「よだれくらい」と我慢せず、困っているときは主治医に相談することが大切です。

Youtube|坪井義夫の「パーキンソン病ノート」の紹介

医師紹介

坪井 義夫 先生

医療法人徳隣会・つつみクリニック福岡 パーキンソン病専門外来センター センター長
順天堂大学大学院医学研究科 PD長期観察共同研究講座 特任教授

2024年3月まで坪井先生が勤務されていた福岡大学で運営されていたWEB動画メディア「web park ひろば」は、同年4月に「パーキンソン病ノート」として株式会社サンウェルズへ引き継がれました。

パーキンソン病で悩む多くの方の支えになりたいという坪井先生の思いとともに、現在も継続して配信が行われています。

つつみクリニック パーキンソン病専門外来センター
https://tsutsumiclinic.net/parkinson/

坪井義夫の「パーキンソン病ノート」Youtube再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PLiYcrCA0RHCTWgIITjvPjWv9vFCXFds61

本日ご紹介した動画

パーキンソン病の流涎と対策について|坪井義夫のパーキンソン病ノート

「流涎と対策について」の動画をYoutubeで見る

  • この記事を監修した人

    坪井 義夫 先生

    医療法人徳隣会 つつみクリニック福岡 パーキンソン病専門外来センター センター長
    順天堂大学大学院医学研究科 特任教授

おすすめ記事

その他の医師・専門家

  • 運営顧問・共同研究

    服部 信孝先生 (元 順天堂大学医学部脳神経内科 教授)

    順天堂大学 学長補佐
    順天堂大学医学部 神経学講座 特任教授
    理化学研究所 脳神経科学研究センター 神経変性疾患連携研究チーム チームディレクター
    順天堂大学 ニューロン-グリア クロストークセンター センター長

  • 運営顧問・共同研究

    坪井 義夫先生 (元 福岡大学脳神経内科 教授)

    医療法人徳隣会 つつみクリニック福岡 パーキンソン病専門外来センター センター長
    順天堂大学大学院医学研究科 特任教授

  • 運営連携

    松本 禎之先生 (前北野病院副院長)

    脳神経ホームクリニック
    京都大学医学部脳神経内科 臨床教授
    (前北野病院副院長)

  • 共同研究

    髙橋 牧郎先生

    関西医科大学医学部 神経難病医学講座 教授

  • PDハウス栄養管理アドバイザー

    山口 美佐氏

    一般社団法人 NUTRITION SUPPORTASSOCIATION 代表
    テニス栄養®・テニス栄養学® 代表

PDハウスの
資料請求・見学予約

WEBフォームでの
お申込み

WEBで申込む

お電話での
お申込み

0120-540-367

受付時間:9:00〜18:00
(年末年始除く)

電話で申込む
採用ページへ戻る
LPに戻る